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1.天職
栗山圭一郎はC県I市にあるG自動車教習所の教官である。栗山は高校卒業後、東京の中賢企業でサラリーマン生活を送っていたが、あまりの勤務態度の悪さで会社をリストラされた。朝は始業時間の9時をとっくに過ぎた、9時20〜30分頃になってから、ニヤニヤしながら出社。社長よりも後から出社。呆れた表情で見つめる警備員と受付嬢の前をニヤニヤしながら通りすぎて行った。
「エヘヘ。家の時計が遅れてましたぁ。」「エヘヘ。家の時計が逆さまでしたぁ。」
幼稚な言い訳をした後は、上司が汲んできたポットのお湯を使って黄ばみで汚れたカップでうまそうにニヤニヤしながらコーヒー1杯。仕事もロクにせず、インターネットの巨大掲示板『2ちゃんねる』をニヤニヤしながら鑑賞した。昼は何の考えもなしに、毎日、毎日、社員食堂でニヤニヤしながらもりそばしか注文しなかった。
「アンタ、よく毎日、毎日飽きずに同じモンが食えるなぁ。」
食堂の従業員たちも呆れるやら、感心するやらで、誰よりも早く名前を覚えられた。午後も引き続き、仕事はすべて人任せでインターネット三昧。朝は誰よりも遅く会社に来ても、夕方は定時にキッカリ誰よりも早く退社した。そして、あまりの勤務態度の悪さで、ついに役職も「係長」から「ヒラ」へと、千人いる社員のなかで、ただ一人、降格処分を受けた。傍からみれば当然の処分だが、当の本人は「なんでオレが?」とグチまくった。やがて、自分より後から入社した人間たちにも役職も、給与面でも追い抜かれ、徐々に職場に居づらくなり会社から押し出されるように退職となった。何の役にも立たない、どうしようもない男・栗山圭一郎。 しかし、栗山は、メゲてはいなかった。かねてからの夢だった自動車教習所の教官になるため、二種免許を取得して運良く地元の教習所に再就職となった。 I市は鉄道・バス網があまり発達しておらず、マイカー王国の市だ。そのため、地元の女子高生たちが、夏休み期間中、あるいは卒業間際になれば、学校帰りに運転免許取得のため、G自動車教習所にドッと押し寄せる。これが脚フェチ男・栗山の狙いだった。密室≠フ教習車内で、18歳に成りたての制服姿の女子高生と二人きりだ。そして彼女たちが紺ソックスにローファーの脚でペダルを踏んで運転する姿をじっくりと鑑賞できるのだ。
「あぁ。ペダルじゃなくてオレを踏んでくれぇ」
と妄想を膨らませながら・・・・・。女子高生だけではない。女子大生、専門学校生、OL、フリーターの女たちの美脚も同様にしっかりと鑑賞した。
「ウァッヒャッヒャッヒヤッヒャ(笑)ウワッシャッシャッシャッシャ(笑)最高だゼッ!」
会社をリストラされてよかったのだ。脚フェチの栗山にとって、自動車教習所の教官はまさに天職≠セった。
2.坂道発進
佐藤梨佳は青川女子短大の2年生。何とか就職先も決まり、あとは卒業までわずかとなった残り少ない学生生活をエンジョイするだけだ。梨佳は何とか卒業までに運転免許を取ろうと頑張っていた。就職してしまえば教習所に通えるまとまった時間が取りにくくなるからだ。自宅から自転車で行けるこのG自動車教習所に通いはじめた。学科に実技、特に実技では苦労した。S字カーブにクランク、そして縦列駐車では何度も縁石に乗り上げた。
「ハンドルは、もっと慎重にきらなきゃダメだよ。」
「あっ、今のとこ、後方確認怠ったよ。」
「やりましたよ。」
「やってないよ!ちゃんと顔を動かさなくちゃダメだよ!」
「ス、スミマセン。」
唯一、教習所内でスピードを出せる直線コースに入ればカーブ手前で自分がブレーキを踏む前に速度ががくんと落ちた。教習用の車には助手席にもブレーキがついている。ハゲ頭の教官が、彼女がブレーキをかける前にそれを踏んだのだ。
「遅い!遅い!壁にぶつかっちゃうよ!」
「ス、スミマセン。」
「早くギアチェンジしないとエンストしちゃうよ。ホラホラ、対向車が来てるよ。ギアチェンジする時、下ばっかり見てちゃダメだよ!」
次から次へとハゲ頭の教官から罵声を浴びせられ、涙目になった梨佳もようやく今日、
路上で運転の練習をするために必要な仮運転免許の技能試験日を迎えた。試験官は栗山だった。
標識、踏切、信号をしっかり確認して教習コース内を走った梨佳の車が、坂道を登っていった。苦手のS字カーブも、うまくきり抜けた。あとは、この坂道発進さえうまくいけば何とか合格できそうだ。坂道の中段まで上がった車が停車し、梨佳がサイドブレーキを引いた。後方確認もしっかりやった。あとはギアをローに入れて半クラッチ状態にしてサイドブレーキを降ろし、アクセルを少し踏みながら逆行しないように発進すればOKだ。
「エッ!?アーッ!アアァーッ!」
しかし、梨佳がローに入れたつもりのギアはニュートラルだった。普段の教習中ではしっかり出来ていたが、検定ということで緊張してしまったのだ。一旦操作を間違えた梨佳の頭の中は真っ白になって訳がわからなくなった。頭がパニックになった梨佳は、運転席でメチャクチャな操作を繰り返した。雨でもないのにワイパーまで動かしてしまった。
「アアアーッ!アッ!?アッ!?」
ギアがニュートラルの状態で発進しようとした車は、自然の法則どおりに坂道を逆行していった。停止した位置から1メートル以上逆行してしまうと、検定中止となる。
「ハイッ。佐藤さん。せっかくここまで来たのに残念ですが、坂道逆行で検定中止です。」
そう言い放った栗山の顔は慌てふためく女子大生のバタバタさせた美脚を鑑賞できたことで満足そうな笑みを浮かべていた。黄ばんだ歯をムキ出しにして今にも口の端からヨダレを垂らしそうな、満面のニタニタ笑いだった。
3.計画
「ハハハハハ。アーッハッハッハッハ。受けるー。やっちゃったネ!(笑)」
短大の学生食堂で、坂道発進でギアをニュートラルにした梨佳の教習所での失敗話を聞いた友人の丸山智美が、冷水の入ったプラスチックの湯のみを持ちながら大声で笑った。
「だからオートマ限定にすればいいって言ったじゃんよ。坂道発進なんてオートマだったらわけないんだよー。」
「そりゃあ、分かってるんだけどさぁ。せっかくお金払って取るならやっぱりマニュアルで欲しかったのよぉ。もう、ギアチェンジ嫌いッ!何でクラッチなんて付いてるのよー。クラッチがあるから慌てるのよー。」
食堂のテーブルの下で検定失敗の悔しさを思い出すように梨佳が、黒皮のロングブーツで包んだ美脚の左脚をバタバタと動かした。
「アハハッ。ギアチェンジするためにクラッチがあるんでしょう?」
智美に笑われた梨佳は膨れっ面になった。そして数多くの教官たちのハンコが押された教習手帳を眺めてため息をついた。
「あーぁ。また補習と再試験でお金かかっちゃうわ。このハンコの数見るたびにイラついちゃうわ。それだけ余計にお金が掛かってるってことでしょう?これから路上教習が始まったら、いったいいくら掛かっちゃうのかしら?お父さんには『タクシー代にあてたほうが得だ。』とか言われちゃうし、弟には『お姉ちゃんの運転する車には乗れないよ。』なんてバカにされちゃうしさぁ。」
「ハハハッ。そりゃ言われるわよ!」
梨佳と同様、当然のように、黒皮のロングブーツで包んだその左右の美脚をテーブルの下でクロスさせて、智美が佐藤家の一家団らんを思い浮かべながら再び笑った。
「試験がダメだったのはアタシのミスだからしょうがないんだけどさぁ。でも、あの栗山って教官、何なのかしら?まるでアタシの失敗を喜んでるようだったわ。ムカツクぅ。」
それまで笑いっぱなしだった智美が、栗山の話が出た途端に、嫌な事を思い出したような表情になった。智美は梨佳と同じG自動車教習所に通い、ひと足早く夏休み中に免許を取得していた。
「あぁ、栗山ね。いたいた。アイツ、キモイよねぇ。何か、いつもニタニタしてさぁ。」
「そうそう。最近、夢にも出てくるのよー。アイツの顔が!ニタァーッと笑ってさぁ。もう、トラウマよ!」
「分かる、分かる。ホント!キモイよねー。アイツは。」
「あー、このまま卒業したら何か癪だわ。何とか卒業するまでにアイツに反撃する方法ないかしら?」
「・・・フフッ。あるわよ。」
梨佳の問いかけに一通り教習を経験済みの智美が答えた。
「エッ?!ホント?!なに?!なに?!」
「ココよ!」
智美は梨佳が持っていた教習スケジュール表の「とある一画」を指さした。
「ここでヤレるわよ!ヤル?」
「もちろんヤルわよ!フッフッフッフッフ。」
「クッフッフッフッフッフ。」
ロングブーツのヒールを床に強く押し付けるようにグリグリさせながら二人が顔を見合わせて笑った。まるで床を栗山に見立てているような姿だった。
4.襲撃
梨佳は二度目の試験で何とか合格し、仮免許を取得。いよいよ路上教習をスタートさせた。G自動車教習所では、卒業検定前に自分で経路を決めて運転する「自主経路設定教習」
の時間がある。教習所近辺の地図上に実際に自分が運転する道路を赤ペンで記入し教官に渡し、目的地通りに運転できるかどうか、見極める教習である。梨佳はこの日がその教習日だった。担当教官は栗山だった。
「どうですか?実際の道路を走るのは?」
だらしない格好で助手席に座った栗山が問いかけた。
「路上に出たら他の車のことが気になって緊張しますよね。特に車が混んできたりしたら、まだ、どうしていいかわかんないんですよねぇ。」
梨佳の答えに栗山が、いやらしい視線を脚に向けてニヤッと笑った。
「だから、今日はちょっと車の少ないところでじっくり練習したいと思って、農道の方を通るコースを選んだんですよ(笑)。」
「なるほどね・・・・。」
梨佳が書き込んだ地図を眺めながら、栗山がニヤァーッとしながらうなずいた。
「それに、今日の教習は『ぜひ、栗山さんに』って、配車係りの人にお願いして予約してもらったんですよー。アタシ、時間外教習ばっかりだから、係りの人と仲良しになっちゃった。ハハハッ。」
「エヘヘ、そうなの?そりゃ嬉しいね。佐藤さん・・・いい脚してるよねぇ。」
栗山がさりげなく言いながら梨佳の白く、細く、長い美脚をジトーッと眺めた。
「フフッ。ありがとうございます。」
梨佳が、「オレに気がある」と明らかな勘違いの表情を見せた栗山を内心、小バカにしながらクスッと笑った。梨佳の作成したコース通りに進んだ教習車は、交通量の多い大通りから、やがて、ほとんど車が通らない一方通行の農道へと進入していった。梨佳はひたすら直線の細い道路が続く道を気持ちよさそうに運転していた。
"キキキーッ!!" だが、突然、教習車が止まった。
「オイ?!どうしたんだ?」
栗山が驚くのも無理もなかった。信号機もない。横断歩道もない。歩行者もいない。対向車もない、ただ、ひたすらまっすぐに突き進むしかないような、一方通行の農道で車が突然止まったのだ。教習車には教官用に助手席にもブレーキペダルがあるが、自分は踏んでいない。栗山の隣では、梨佳がしっかりとブレーキペダルを踏んでいた。
「フッ。フフッ。フフフフッ。」
「オイ?何がおかしいんだい?」
"ブォン!ブォン!ブウォーーン! キキキーッ!" 栗山が梨佳に問いかけていたその時、停車中の教習車を猛スピードで追いかけて来た一台の車が後ろでピタリと付けるようにして止まった。運転席には智美がいた。 "バタァーン!" 乱暴にドアを閉めて車から降りた、黒皮のミニスカートに黒皮のロングブーツを履いた智美がアスファルトでブーツのヒール音を響かせながら教習車に向かって歩み寄ってきた。不適な笑みを浮かべた智美の左手は黒皮のロングブーツを握っていた。梨佳のブーツだった。バックミラーで計画≠ヌおりに智美が来たことを確かめた梨佳が、シートベルトを外しながら栗山に冷たい視線を向けた。
「フフッ。降りなよ!」
「ウウッ・・・な、何する気だ?!」
栗山の脳裏に昨晩、独身男性特有のハムが腐ったような臭いを発した海の家のシャワー室のようなオンボロアパートの一室でビール片手にのんべんだらりと見ていたTVの刑事ドラマの中に出てきた、現金輸送車が襲われるシーンが思い浮かんだ。そして、これから、その通りの事が起ころうとしていた。違いは現金を積んでいるかいないかだけだった。
「ハイッ。梨佳!ブーツよ!」
「サンキュー♪」
"ザザザァーーッ!""ジジジィーッ!" 梨佳は、家から教習所まで履いてきたロングブーツを智美に預けて、教習中はスニーカーに履き替えて運転していたが、再び車の運転席からその白く伸びた両脚をドカっと道路に出してロングブーツを着用していった。
「き、キミは・・・。確か・・・。」
「そう!お察しの通りよ!お久しぶりねぇ。エロ教官さん(笑)やっぱり脚がキレイだと覚えてもらえるのかしら?アハハハ。」
自分の顔を覚えていた栗山に智美が冷たく言い放った。
「ホラァ。さっさと降りろよ!」
"ボカッ!" 「ウウウッ」
智美が、無理やり車からひきずり降ろした栗山の体に、まずは挨拶がわりにロングブーツの蹴りを一発入れた。
「き、キミ。ブーツ履いて運転してるのか?教習所では安全上良くないと教えたはずだ。」
確かにブーツを履いて運転しても何の違反でもない。だが、かつて流行った厚底ブーツを履いた女性が事故をよく起こしたことなどもあり、G教習所では運転の際、ブーツを履くことは好ましくないと指導していた。
「ウルッセェーンだよ!アタシは人に逆らわれるのが大キライなんだよ!フフッ。免許取っちゃえば関係ないんだよ!ハハハッ!アハハハッ!」
"ボカッ!""ボゴッ!""ドカッ!""ドスッ!"
平然と笑い飛ばし、栗山をロングブーツで蹴り上げた智美は、一部上場企業重役の令嬢だった。豪邸に住み、就職も親のコネで簡単に内定を勝ち取った。それだけでなく、お嬢様であるがゆえに一般の女子大生たちがとても簡単には会えないような芸能人やスポーツ選手とも夜遊びしまくっていた。近所の人々の前では、おしとやかなお嬢様の仮面をかぶった、とんだプレーガール≠セった。考えてみれば、車はエゴの塊だ。動けば、騒音と排気ガスを撒き散らし、歩行者を押しのけるようにして猛スピード突き進む。止まれば、広い駐車スペースを取る。そのエゴイズムの塊≠ナある車をこうしてエゴイストの女が町中を乗り回しているのだ。恐ろしい話だ。
「ブーツは口ほどに物を言う・・・」智美のブーツは左脚にくらべ右脚の、特に右側の部分だけがスリ減っていた。それが、このロングブーツを着用して、ちょくちょく車の運転席から乗り降りしていることを表していた。
「フフッ。どう?文句ある?」
「ウグアガガガ」 そのロングブーツを見せ付けるようにして黒皮のミニスカートを揺らしながら右脚で栗山の顔を踏みつけた。重役令嬢らしく『ピンキー&ドイアン』の良質の皮ブーツで・・・。 "バタァーン!" そして、教習車の運転席から降りた梨佳がトランクの前を経由して悠然と助手席側に歩み寄ってきた。スニーカーからロングブーツで武装≠オた梨佳はおいしい獲物を見つけた獣のような表情で口元を吊り上げた。
「フフフッ。オラァ。オラ。オラァ。キモいんだよ!メーター見るフリして脚ばっかり見やがってよー!バレバレなんだよ!このエロ教官!」
"ドカッ!""ドスッ!" "ボカッ!""ボゴッ!"
「ウウウッ。ウウウウッ。誰か、誰かぁ。助けてくれぇ!」
「ハハハッ。ムダよ。誰も来やしないわよ。周りよく見てみなよ。ハッハッハッハ。」
とっくに稲刈りシーズンの終わった家一軒ない辺り一面、広々とした田園地帯の中の一方通行の農道。稲を刈った農家は、春の田植えシーズンまで来ない。通学路でもないので学生も通らない。智美が『工事中』のニセの看板を立てて農道に進入してきたため、後ろから車が来ることもない。2人で入念に下見した上で地図上に赤ペンで×印をつけた襲撃地点≠セった。
「フフッ。お前なんかに教わらなくたって車は動かせるんだよ!今日はアタシたちが教習≠オてやるわよ。ホラァ。ズボン脱げよー。」
智美が無理やり、栗山のズボンとパンツを引きずりおろした。
「フフフ。ハイッ、まずサイドブレーキ♂コろしてぇ。」
"ムギュギューッ!"
「ウウウウッ」
智美が笑いながら、栗山の股間についたサイドブレーキ≠ロングブーツで踏み倒した。
「ハハハッ。ハイッ、ロー、セカンド、サード、トップ、ニュートラル、バックぅ・・・ ウファハハハハ。」
「ウグググウーッ」
今度は梨佳がギアチェンジレバー≠ノ見立てて、栗山の股間を弄んだ。
「クフフフッ。ハイッ、ブレーキペダルしっかり踏んでぇ。クラッチ。クラッチ。半クラッチ。アハハッ。アクセル。アクセル。」
「グガガガァーッ」
再び智美が、甚振り痛めつける行為を楽しむような余裕の表情で、栗山の股間を今度はペダル代わりにしてロングブーツで踏みつけた。しかもご丁寧にアクセル・ブレーキ≠ヘ右脚の、クラッチ≠ヘ左脚のロングブーツをそれぞれ交互に差し出して・・・。
「フフッ。そうだよ。このクラッチ≠ェウザったいんだよねぇ。こんなモノがあるからあわてるんだよ。」
"ムギュギューッ!"
「ウグァアーッ!」
「アハハッ。こんなモノ・・・取っちゃえばいいんだよ。手でレバー動かしてギア変えてるのに何で、脚でペダル踏まなきゃいけないんだよ。オラァ。邪魔なんだよ!」
"ボカッ!" "ボゴッ!"
「ウギャーァッ!」
大して車のメカニズムも分からずに、運転免許だけは欲しがる梨佳のロングブーツで栗山の股間はいいように甚振られた。 栗山の股間はペダル兼レバー兼サイドブレーキとなった。この、何の変哲もない一本道の農道も、脚フェチの栗山にとっては、美脚女子大生二人のロングブーツ攻めへのバイパス道路≠セった。
"ドピューッ!""ドピュピュピューッ!" 早漏の栗山が、早くも精液を噴射させた。
「あっ、コイツもう出しちゃったよ!」
「でも、ちょうどいいんじゃないの?教習所に戻るのが遅れたら騒ぎになるからさぁ。」
「フフッ。そうね。ハイッ。今日の教習≠フハンコあげるわ。フフフフ。」
"ムギュグギュギューッ!" 重役令嬢プレーガールの智美が笑いながら愛用する『ピンキー&ドイアン』のロングブーツの靴底を栗山のほおに強く押し付けた。ブーツの靴底にある「&」マークがクッキリと顔に残った。
「アハハハハハッ。ハッハッハッハッハ。」
「アーッ?!コイツ、パンツにウンコ付けてるー!」
「イヤだぁ。サイッテー!」
「言わないでぇ。お願いだから!言わないでぇ。」
命乞いするように頼み込む栗山を梨佳が容赦なくブーツ蹴りした。
"ボカッ!""ボゴッ!""ドカッ!"
「イヤだぁ。寄らないでよー。フフッ。この教習車の番号は16番だったよねぇ。みんなに呼びかけて16番の車はボイコットすることもできるんだからね!そうなったらアンタ間違いなくクビだね!フフフ。今日の分のハンコは自分で押しといたからね。アタシは智美の車で帰るわ。アンタは一人で教習所に帰んな。」
捨てゼリフを残して二人は去っていった。栗山は、制服ズボンにグチョグチョに精液を付けた姿で農道に一人ポツンと取り残された。その上空をカラスが2羽、バカにしたようにカーカー鳴きながら飛んで行った。
5.ホームレス
一年後・・・・・。サラリーマンの前島新一が、朝、いつものように会社に向かう途中、新宿駅西口から都庁に向かって延びる地下歩道の脇で、ダンボールハウスを組み立てている見覚えのある顔の男を見つけた。
「く、栗山ぁ!? 栗山じゃないか?」
「よぅ。前島ぁ。久しぶりだなぁ。」
「オイ、栗山!こんなところで何してるんだよ?」
「イヒヒ。見ての通りだよ。ホームレスやってるよ。ここは住み着いてみると、意外に住み心地がいいよ。時間も規則も、税金も会社もない。煩わしい人間関係もないしな。
イーッヒッヒッヒッヒ。」
「・・・・・・」
どこかのインチキ宗教の教祖様のように口の周りにボーボーのヒゲを生やした栗山がかつての仕事仲間だった前島に笑いながら言い放った。周囲には同じようなホームレスのダンボールハウスが立ち並んでいる、アルコールとアンモニアが混ざった異臭が立ち込めている。一般の通行人も足を速めて通り過ぎる、普通なら立ち寄りたくないように空間に、居心地がいいと住み着いている栗山が、前島には理解できなかった。いかに自由世界へ逃避したつもりでも、逃げ切れるものではない。完全な自由は生きている限り、この世にはあり得ないのだ。栗山の自由≠烽ずかな期間で終わるだろう・・・。前島は口には出さなかったが心の中ではそう思いながら、会社へと向かった。
「イッヒッヒッヒッヒ。イーッヒッヒッヒッヒ。ハッピーハッピー♪」
前島を見送った栗山は、拾ってきた賞味期限の切れた弁当とお茶を口にした。 どうしようもない男・・・・・栗山圭一郎。
終わり
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