| 1.アフター5
ヒマゴ下請工業の社員天野敦夫は冴えない経理マン。安月給に昇給なし賞与なしとうだつの上がらないサラリーマン生活を送っていた。天野はとうに出世をあきらめている。レースに参加しなければ勝ちも負けもない。失脚することもなければ、背後から闇討ちに逢うこともない。冷静な目でレースを見物していられる。レースに初めから加わらない者にとっては、どうしてあんなものに身を費やしているのかが分からない。競り合ったところで「たかが一社」である。ゴールに何があるか、レースの先はだいたい見えている。そんなもののために、人間らしい生活に背を向けて、走り続ける。レースに加わらない天野にとっては、そんな連中がアホに見えた。性格的に人と競り合うことが嫌いな天野は、人生を達観したようなところがあった。一見窓際風であるが、窓際族ではない。茶坊主の集団にも加わらず、レースにも参加せず、出世もせず、リストラもされず、今日まで生き残ってこられたのは天野の自己主張しない無色性のせいかもしれない。
存在を主張しないくせに、奇妙な存在感がある。部屋の隅にうずくまって何も言わない古い壺や置物のように、それがそこにあるだけで安定感がある。天野はそんな感じの人物であった。
そんな天野の最近の楽しみは仕事帰りの水泳だった。定時でさっさと退社後JRK線S駅前にあるN屋内プールへと向かう。天野は小学生時代スイミング教室に通っていた。本来、小学生は子供用プールでしか泳げないが、プール掃除の手伝いをした後でご褒美に大人用プールで泳がせてもらえたことがあった。わずか30分の時間だったが、そこで美人で愛想がいい女子高生姉妹の白くまぶしい美脚水着姿を、唇を紫色に染めながら見とれていたのをきっかけに女性の脚に興味が膨らむ人生となった。それから時を経て社会人となった現在も近辺から練習に来る水泳部女子高生やサークル活動で泳ぎに来る女子大生。さらに自分と同様に仕事帰りにプールへ立ち寄るOLたちの水着姿をしっかりと鑑賞した。胸の隆起、腰のくびれ、細い足首、ギャル系のルックスとはうらはらに逆三角形の水着姿・・・。
「私、脱いでもスゴイんです。」
・・・かつてのエステCMであったこのセリフをプールに来るたびに思い出す。競泳用の水着姿でプールに入水した彼女たちはその美脚を水中でバタバタさせながらプールを往復する。天野は彼女たちの後を付け回すようにして泳いだ。また、泳ぎに疲れればスタート台下の壁にフジツボのようにくっついて彼女たちがターンする美脚をじっくりと眺めた。更衣室とトイレこそ男女別だが、一旦プールに飛び込んでしまえばもう男女の区別はない。
"ゴボッ!!"
"ゴボゴボゴボォーッ!!"
嬉しさのあまり、水中で口と鼻から余分に息を吐き出しながら今日も天野は仕事帰りの水泳トレーニングに励んだ。
2.不審者
中垣麗子と紺野志津香は青川学院大学に通う女子大生。彼女たちは人気ファッション雑誌『Gam Gam』の読者モデルとして活躍中である。読者たちの人気も上々だ。その実績が認められて卒業後は読者モデルから専属モデルへの昇格≠ェ決まっている。二人は大学の授業を終えた後スタイル維持のためN屋内プールへ定期的に通っていた。クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ・・・どの泳ぎをしても全身有酸素運動で動きは左右対称だ。水泳はモデル活動維持にはうってつけの運動だ。それに、他の運動は普段と同じ陸上で行うものだが、「H2O」という別の世界に飛び込むことで真の気分転換が図れる気がした。胸と尻の位置が高く盛り上がり脚が長い均整のとれた肉体で抜群のスタイルの二人・・・真実の肉感からなるカラダはプールサイドの人々の目を引いた。当然のごとく何人もの男に声をかけられた。すれちがう男たちが次々と振り返る。Nプールでは一時間ごとに5分間の休憩時間を設けている。監視員の笛の合図で利用者がプールサイドへ上がった。
「ねぇ、最近ちょっと気になることがあるんだけどさぁ。」
「何?」
「あの3コースでいつも泳いでるあの男なんだけどさぁ。すれ違うたびにアタシの脚と当たるんだよねぇ。イヤな感じよ。」
麗子がプールサイドでたむろする天野を指さしながら言った。
「エッ?!アイツ?アタシもそうよ。ちょっとぉ。もしかしてわざと触ってるんじゃない?」
「イヤだぁ。・・・ていうか。何なのよアイツぅ。」
「それにアイツとすれ違うたびに何かニオわない?」
「ニオう。ニオう。エッ?!ワキガぁ?イヤだわぁ。」
「何か息継ぎの息もクサそうよねぇ。」
「この前、ターンした時アイツの顔みたらニヤッとしてたわ。何で水中で笑ってるのよー。」
「エーッ?!何なのよーアイツぅ。」
麗子と志津香が話している横の監視台から水泳インストラクターの池田優美子が降りてきた。優美子は子供たちや奥様方相手への水泳指導が本業だが、折からの人手不足のため、監視員や受付業務も兼務している。読者モデル2人に負けず劣らずの美貌と美脚の持ち主だ。アイドルインストラクターとして子供たちやその保護者たちからも人気がある。その長いふくらはぎの引き締まった美脚で監視台のはしごを伝って下りてきた優美子が2人の話に割って入った。
「私もあの男は前からマークしてるのよ。不審人物≠ニしてね。」
麗子と志津香がやっぱりという表情を見せた。
「み、見て、アイツのパンツ!ボ、ボ、ボ、勃起してるわ。」
「いやだぁ。不潔よ。」
だが、天野も天野だ。少しは手で隠す素振りくらい見せればいいものを、何の恥じらいもなく、水泳パンツの前部でテント≠張った状態で堂々とプールサイドを歩いた。おまけにこともあろうかそんな状態で屈伸運動までやり始めたものだからパンツの両脇から玉袋≠ェもろにさらけ出された。優美子が思わず顔をそむけた。そして、屈伸運動を終えた天野が斜め上目づかいの目に上唇がめくれるような口でニヤァーッとしたのを3人の女たちは見逃さなかった。視線の先には女子高生水泳部のグループがいた。
「イヤーッ!イヤーッ!」
麗子と志津香が両手で口を押さえながら気味悪がった。
「怖いわ。S市の事件みたいになったらイヤよ。」
麗子が一年前に九州地方のS市で起きたストーカー男によるスポーツクラブでの銃乱射事件を持ち出したことで三人の不安は一気に高まった。改めて周囲を見渡してみると、イザという時は逃げにくい構造のプールであることを再認識した。
「・・・どんな目的があるにせよ。早めに処理≠オたほうがよさそうね。」
優美子が両手を腰に当てがいながら冷淡に言い放った。
「そうよ。そうよ。大事にならないうちにさぁ。」
3人の考えは即座に一致した。
3.誘惑
プールから上がり着替え終わった天野はいつものようにロビーのソファーでくつろいでいた。そしてミネラルウォーターのペットボトル片手にテレビのナイター中継を鑑賞していた。ジャイアンツを応援していながらTVを観ていた天野に同じくプール更衣室から出てきた麗子と志津香が歩み寄ってきた。
「あのぉ。お名前教えていただけますかぁ?」
「わ、私?天野といいますが・・・」
「まぁ。天野さ〜ん。泳ぎお上手ですよねぇ。私思わず見とれちゃったわ。」
「私も。素敵な泳ぎですわ。天野さ〜ん。」
「ハハハ。あなたたちみたいなキレイな女性に褒められると嬉しいですね。」
ソファの真横に美人女子大生が座った上に自分の泳ぎをベタホメされた天野は舞い上がった。そこへ受付席にいた優美子も近づいてきた。
「インストラクターの私が見ても上手だと思うわ。あ、そうだ!今度プールの定休日があるんだけどその日に天野さんの特別レッスンってのはどうかしら?」
「わー。ソレいいわ。是非ご指導お願いしたいですわ。天野さ〜ん。」
計算づくのポーズで自分の真横で組み変えたスラリと伸びた麗子の脚線に天野は思わずゴクリとツバを飲み込んだ。
「わ、私でよければ・・・」
「わー。嬉しいわ。楽しみだわー。」
「では、今度の定休日。特別指導お願いいたしますわ。」
美人女子大生2人から思いもよらぬ誘いを受けて有頂天気分でプールを後にした天野はその足で行きつけの定食屋へと向かった。安月給チョンガー≠フ天野は給料日前の数日間はこの店で決まってライスだけを注文した。そして紅ショウガをたっぷりとかけるのだ。醤油やソースと同様に卓上にある紅ショウガはいくらかけてもタダだ。栄養はないが、腹持ちはいい。これが天野の給料日前の定番メニュー≠セった。店のオヤジから露骨にイヤな顔をされているのを気にも留めずガーッと紅ショウガ丼≠かきこんだ。
三日後・・・。Nプール定休日を迎えた。天野は定時退社後脇目も振らずプールへと直行した。そして更衣室で水泳パンツ一丁姿になった。いつもなら学生や仕事帰りのサラリーマンで混雑するこの更衣室もガラーンとしていた。
「デヘヘヘ。プール貸切状態で女子大生相手に水泳指導・・・。ガハハハ!」
思わずニヤけながらシャワーを浴びた天野がプールに現れたが場内は無人だった。
「ちと早すぎたかなぁ。準備運動でもしとくか。」
天野がそう思ったその時、場内にラジオ体操第一の放送が流れた。
「ハハッ。いきな計らいじゃないか。おぃっちにさんし・・・。」
「あーたーらしいあさがきた。きぼーのあーさーだ・・・ハハハッ♪」
上機嫌の天野はラジオ体操の歌まで歌いだした。 ●○●○● プール指導員室にある監視モニター画面は体操をする天野の姿をクッキリと映しだしていた。
「フッ。フフフ。フフフフフ。ハハハハハ。何か歌ってるわよアイツ。」
「アハハ。ホントだぁ。バカみたーい。」
3人とも泳ぐ準備など一切していなかった。優美子がモニター画面に映る天野のマヌケ顔を眺めながら黒革手袋をはめていった。そして準備したド派手なエアガンを握りしめた。サバイバルゲーム愛好家たちが好んで使用する型式の銃だった。優美子はモスグリーンのパンツにこげ茶色のロングブーツでブーツイン。まるでサファリ≠イメージしたようなコーディネートだった。

「フフッ。あの獲物。どれだけ持ちますかね。」
麗子がガムをクチャクチャ噛んで黒革ニーハイブーツを左脚にすべりこませながら優美子へ問い掛けた。右脚はすでにすべりこませてある。

「フッ。私がすぐに仕留めてみせるわよ。とにかくプールに突き落とせばこっちのもんよ。しっかりバックアップ頼むわ。」
「ハーイ♪」
声を合わせて返事をした麗子と志津香は互いに顔を見合わせて小ズルそうな笑みを浮かべていた。それもそのはずだ。今日は二人が読者モデルを務める『Gam Gam』の発売日だ。その誌上では盛んにブーティを読者に勧めているのだ。『この秋冬足元はブーティで決まり!』『ブーティ履かなきゃ女じゃない!』
等の文字が踊るファッション誌が全国の書店・コンビニに並んだ。当然、彼女たちも笑顔のブーティ姿で誌上に登場している。日本中の女子大生たちが彼女たちの足元に注目している。その発売日に指導員室内で4本の黒革ニーハイブーツを美脚にフィットさせた。当然だろう。確実に汚物処理≠遂行して、かつ今後のモデル活動に支障ない履物・・・答えは一つしかなかった。志津香がヒールの底をモニター画面の天野へ向けながらニーハイブーツを引き上げた。そして、防水スプレーをブーツの隅々に行き渡るように入念に吹きかけた。スプレーの液体がニーハイブーツをいっそう黒光りさせた。
「フフッ。今日は指一本アタシの脚には触れさせないわ!フハハハッ。」
「フフッ。そうよ。ブーティなんか履いてられないわよ!アハハハッ。」
志津香からスプレー缶を受け取り自分のニーハイブーツへ吹きかけ始めた麗子が笑いながら本音≠もらした。
「あ〜ん。ムズムズするわぁ。早く狩りを始めましょうよー。」
志津香がニーハイブーツの両脚をバタバタさせた音が指導員室内に響いた。
「フフッ。じっくり料理≠オてやればいいのよ。とっておきの獲物。おいしい獲物じゃーん。フフフフッ。アハハハハッ。」
麗子が笑いながら空になった防水スプレー缶をゴミ箱へ放り投げた。そして優雅にニーハイブーツの美脚を組み替えながらティーカップの紅茶を口にした。
「フフッ。でも窮鼠猫を噛む≠ニも言うからね。アイツにも一応歯はついてるわ。狩りに油断は禁物よ。フフッ。袋のネズミ・・・ハハハハッ。」
無防備な水泳パンツ一丁姿の天野は文字通り自分の歯だけが唯一の武器≠セった。優美子がその天野のマヌケ顔を思い浮かべながらあざ笑うように強力なエアガンを革手袋の両手でギューッと握りしめた。そして、心地よい優越感をたっぷりと味わいながらモニター画面の天野に向けて銃口を向けた。
「バーン!バーン! フフッ。今日は夢にまで見た人間狩り≠ェ楽しめるわ。一度やってみたかったのよ。フッハッハッハッハ。」
まぶた奥の瞳が獲物を狙うライオンのように光った。

「優美子さんは防水スプレー使わないんですかぁ?」
「フフッ。私は雨の日用≠フボロブーツ履いてきたからいらないわ。これだけは春になっても仕舞わないで梅雨時まで玄関に出しとくのよ。だから今日限りで履き潰したってOKってわけ。あっ、それより獲物が時間を持て余してるみたいだわ。狩りに出かけましょう。」
三人が勢いよく指導員室を飛び出した。
4.猟期的な彼女
"カッ!""カッ!""カッ!""カッ!"
女三人のブーツのヒール音がプールの通路に響き渡った。そして、獲物が待つ場内へ向かった。泳ぐ格好どころか服一枚脱がずにブーツ姿で侵入≠オてきた三人の姿を見た水泳パンツ一丁姿の天野がア然として突っ立っていた。無理もないだろう。おまけにインストラクターの優美子は見るからに強力そうなエアガンを所持していた。
「フフフッ。フハハハハッ。ようこそ処刑場へ(笑)」
「ハッ!?・・・エッ?!・・・イ?!」
優美子が今さら気づいた天野の間抜けをあざ笑うように口の両端を吊り上げた。
"ガチャッ!""チャッ!"
そして、ウインクするようにその美貌の片目をつむり嬉しそうな表情で銃を構えながら前進した。その両脇ではニーハイブーツ姿の麗子と志津香が同じように口元を吊り上げていた。
「や、やめろ!!やめてくれぇ。ワーーッ!!」
両手を顔の前に出して激しく左右に振る天野を無視するように優美子の革手袋の右手が引き金を引いた。

"パーン!!""パパァーン!!"→"ビシッ!!""ビシュッ!!"
「ウウウッ」
発射されたBB弾が天野の左肩を右脚に命中した。
「ハハハハッ。やっぱり生身の人間撃つのは楽しいわ。手ごたえがまるでちがうわ。」
池田優美子・26歳。趣味・狩猟。猟銃所持許可証保有。狩猟グループに入会して射撃場でのクレー射撃から始めた。まっすぐに伸びた銃身の鈍い輝き。引き金に指をかけている間の緊張。撃った瞬間の衝撃。的に当たったときの快感・・・。引き金に手を当て、銃身から伝わる手ごたえは、まさに生きている感触だった。銃身を抱擁して銃声をバックサウンドに射撃時の反動を感じていると、全細胞が活性化されたように覚えた。やがて、標的は生命のない無機的なクレーから生命を持つ動物へと変わった。狩猟は愉快だった。当たった瞬間に獲物がドウッと倒れる。それが痛快だった。引き金一触で他の生命を奪い自分は生きている。引き金を引くという行為そのものはテレビのスイッチや携帯の着信ボタンを押すのと変わりない。ごく日常的な行為によって、他の生命を一瞬に奪える事実に感動した。自分の手でひとつの生命が終焉をむかえるこの快感。動物の生命を破壊するその快感はサドの優美子にはたまらなかった。いずれも鮮やかな記憶として全身に焼き付いている。人間は他の生命を栄養にして生きている。女は毎日包丁片手に料理をするため男よりもずっと動物の血や肉には慣れている。先日も山奥で笑みを浮かべなら渡り鳥を次から次へと撃ち落して楽しんできた。そして、ついに心に潜むサディスティックな性格が、「人間を撃ってみたい」という欲望を生んだ。そこへノコノコプールに現れた天野は自分の欲望を満たすには格好の獲物だった。そして計画通りに一本釣りで釣り上げたカモ≠狩猟場≠ヨと連れ込んだ。一発、二発とBB弾が獲物へ命中するたびにサドの血が騒いだ。体中の血が沸騰して、それからスーッと静脈の隅々まで流れ込む。その快感は彼氏とのSEX以上のものだった。BB弾ですらこの感触だ。自らの手で実弾を発射させて間抜け顔で逃げ惑う天野を仕留めた時の感触を想像するだけで体中が身震いした。アソコをヌルヌルさせながら天野に大量のBB弾を浴びせた。サド・・・インストラクター・・・池田優美子。
"パーン!!""パパァーン!!"→"ビシッ!!""ビシュッ!!"
「ハハハッ。ブーツ履いて撃つのホント気持ちいいわぁ。アハハハハッ。」
水泳で鍛えた自慢の美脚を包むこげ茶色のロングブーツがより狩猟を心地よくさせてくれた。当然だろう。もともとブーツの起源をたどれば、古代・草原の遊牧騎馬民族が狩猟で足場を保護するために編み出したものだ。その後、防護性に富んでいることから戦闘用として普及していった。足首のフィット感。ふくらはぎのフィット感。ロングブーツの中で甲や足首をしっかりとホールドさせながら狩猟を楽しんだ。サド・・・インストラクター・・・池田優美子。
パーン!!""パパァーン!!"→"ビシッ!!""ビシュッ!!"
"ビシッ!!""ビシュッ!!"←"パーン!!""パパァーン!!"
「ウウッ。ウウウッ。ワーーッ!」
"ドバァッシャーァン!!"
ついにBB弾の痛みに耐えかねた天野が、空中で香港カンフー映画のNGシーンのようなポーズを作りながら勢いよくプールへ飛び込んだ。
「ハハハッ。バカめ。もう逃げ場はないわ。」
普段から泳いでいる天野がプールへ飛び込んでも当然溺れることはないが、ただ、プールは水深2メートルだ。中で歩くことはできない。定休日のためコースロープにしがみつくこともできない。ひたすら泳ぐしかなかった。必死に反対側へ向かって泳いだ天野だったが、当然のごとく先回りした三人の美脚が嬉しそうな表情で待ち構えていた。プールの側溝をつかんだ天野の右手を志津香のニーハイブーツの靴底が冷酷に踏みつけた。
「フフフ。何よ!この手は?汚らわしい手よねぇ。アタシ達の脚ばっかり触っちゃってさぁ。フフフ。でも残念ねぇ。今日は触れないわよ。ハハハハッ。」
"グギューッ!!""ギュギュギューッ!!"
「ウウウッ。ウグァーッ。」
志津香のこすりつけるような踏み付けで痛みに耐えかねた天野の手が側溝から離れた。すかさず麗子のニーハイブーツの右脚が飛び込んできた。
「オラァ。オラ。オラァ。まだまだ上がるのは早いんだよ!ハハハハハ。」
"ボカッ!!" "ドカッ!!""ズカッ!!""ボゴッ!!"
「ウハハハハ」
「ウグゥウッ!!」
"バシャバシャ!!バシャーァン!!"
冷たく笑いながら真っ黒なニーハイブーツで天野を蹴り上げた。
「ハァ。ハァ。ハァ。ハァ」
次第に天野の息遣いが荒くなってきた。必死でプールの中を泳ぎ回る天野。いくら普段から泳ぎ慣れているとはいえ、休みなしで泳ぎ続ければさすがに体力も消耗してきた。だが、天野がどの方角へ泳ごうともプールサイド上を自由自在に小走りする美女三人組のスピードにかなうことはなかった。天野が何とかコーナーのはしごにしがみついてプールサイドに上がろうとしたが麗子のニーハイブーツのギザギザの靴底が冷酷に天野の顔面を押し付けた。
「フフフ。ホラよ!」
「ウウウッ。」
バッシャーァン!!
そして、麗子と志津香が水中で鳥が羽ばたくように手足をバタバタさせる天野を、水に落ちた犬を棒で叩くように笑いながら黒革ニーハイブーツで交互に蹴り上げた。
「ハハハハ。ドリフのコントみたーい。」
「アハハッ。ホント。ホラァ。シムラケェーン。カトウチャーッ。ハハハッ。」
"ドカッ!!" "ボゴッ!!""ボカッ!!""ズカッ!!"
"バシャバャッ!!"
「ボゴァガガガッ」
"バシャバャッ!!"
「ブグァガガガッ」
プールサイド上から文字通り獲物を見下ろしながら防水対策¥\分の黒革ニーハイブーツで包んだ美脚で容赦なく蹴り上げる行為は格別だった。これならモデル活動には何の支障もない。自慢の美脚は真っ黒なニーハイブーツがすべて保護してくれる。その上獲物の天野は思う存分甚振れる・・・最高の娯楽≠味わった。
「フフフ。そろそろ狩りのエンディングと行こうか。」
優美子がヘトヘトになった天野をプールサイドへ引き上げさせた。そしてエアガンの先端を器用に引っ掛けて天野の水泳パンツを下ろしていった。
「フフフ。最後くらいは気持ちよくさせてやるわ。」
優美子のこげ茶ロングブーツが天野の股間へと向かった。そして電気按摩をスタートさせた。
「ウフフフフ。ハハハハハ。」
「ウウウウウウッ。」
こげ茶ロングブーツがあらゆる方向へ天野の股間をこねくり回した。もともと雨の日専用のボロブーツだ。プールで履くにはちょうどいい代物だった。 サド・インストラクター・池田優美子。
「フフフフ。ハハハハ。アハハハハ。」
「ウウウウウウッ」
「アッ?!コイツイキそう。」
「やだぁ。見たくないわぁ。」
「ここで出すんじゃないよ。プールの中で出しな。」
今にもイキそうな天野の表情を察した優美子が麗子と志津香と共に仰向けに横たわった体を足早にブーツで押し出すように転げ回してプールの中へ突き落とした。
・・・「いい、あっちゃん。海の中ではオシッコしてもいいけどプールの中でしちゃダメよ。」・・・
天野は水中へ落ちながら幼少の頃、母親に言われた言葉を思い出していた。その教えはこれまで忠実に守ってきた。超満員のプールで「この中で小便してるヤツ絶対いるよなぁ。」と思っても決して自分は出さなかった。だが、まさか・・・
"ドピューッ!!""ピュピュピューッ!!"
天野の精液が、アメーバが水中で糸を引くようにして大量にプール内で撒き散らされた。どんなにBB弾を大量に浴びても、どんなにニーハイブーツで甚振られても最後は、フィニッシュは射精に救いを求めるしかない男の哀しい性だった。
終わり
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